日本の電子音楽

歴史の探求と推薦書籍

歴史概要

日本の電子音楽は、第二次世界大戦後の実験的な始まりから、世界的な技術革新と多様な音楽ジャンルの形成に至るまで、豊かで影響力のある歴史を持っています。この進化は、画期的な作曲家、影響力のあるコレクティブ、世界的に有名な楽器メーカーによって特徴づけられるいくつかの主要な時代に大別できます。


初期実験とアヴァンギャルド(1940年代後半~1960年代)

第二次世界大戦後、日本の作曲家は海外の発展に触発され、電子音楽の探求を開始しました。1951年に東京で実験工房(Jikken Kōbō)が結成されたことは画期的な出来事でした。この学際的なコレクティブは、武満徹、秋山邦晴、湯浅譲二といった著名な人物を集め、テープレコーダーなどの新技術を統合しました。1955年に開設されたNHK電子音楽スタジオは、アヴァンギャルド作曲家にとって重要なハブとなり、黛敏郎、諸井誠、湯浅譲二といった作曲家がこのスタジオと関わっていました。

技術革新と世界的影響(1970年代~1990年代)

1970年代と1980年代には、日本が電子楽器製造のリーダーとして台頭しました。特にローランド株式会社は音楽テクノロジーの代名詞となり、非常に影響力のあるTR-808 Rhythm Composerは、新興の電子音楽、ダンスミュージック、ヒップホップジャンルの世界的な礎となりました。また、ヤマハDX7はFMシンセシスを利用し、1980年代のポップミュージックに強く影響を与えました。

イエロー・マジック・オーケストラとJ-POP/テクノポップ(1970年代後半~1980年代)

1978年に結成された伝説的なエレクトロニックバンド、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)は、シンセポップ、J-POP、エレクトロ、テクノといったジャンルの発展に重要な役割を果たしました。彼らは、冨田勲やクラフトワークのエレクトロニックミュージック、伝統的な日本の音楽、アーケードゲームのサンプルなど、多様なソースからインスピレーションを得て、世界的な成功を収めました。

日本のダンス・エレクトロニックジャンルの台頭(1990年代以降)

YMOと日本の楽器メーカーの貢献によって、1990年代以降、活気あるエレクトロニックミュージックシーンへの道が開かれました。ジャパニーズ・テクノ(J-Techno)が登場し、テクノ、トランス、アンビエントの要素と伝統的な日本の楽器やテーマを融合させました。東京は日本のテクノの中心地となり、石野卓球、DJ Nobuといったアーティストがシーンを育成。現代の日本のエレクトロニックアーティストは革新を続け、多様なサウンドスケープに貢献しています。


推薦書籍

Yogaku: Japanese Music in the Twentieth Century

by Luciana Galliano (2002)

明治時代以降の西洋音楽の影響と吸収をたどり、現代日本の音楽の広範な歴史的概観を提供。実験音楽作曲家についての議論を含む。

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日本の電子音楽

by 川崎 浩二 (2009)

日本の電子音楽に特化した日本語の書籍。実験音楽とポピュラー音楽の両方を網羅し、サンプル録音CDが付属。

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The Ashgate Research Companion to Japanese Music

Edited by Alison McQueen Tokita & David W. Hughes

様々な日本の音楽ジャンルを包括的に検討。現代音楽とその社会的文脈、電子音楽に関する章を含む可能性が高い。

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"The Beginnings of Electronic Music in Japan..."

by Emmanuelle Loubet (1997)

Computer Music Journalに掲載された重要な記事。NHKスタジオの設立と活動に焦点を当て、初期の作曲家について論じている。

学術データベースでアクセス可能

Japrocksampler

by Julian Cope (2007)

戦後日本のロックとアンダーグラウンドカルチャーを探求。日本の実験音楽にも踏み込み、電子音楽作曲家にも言及。

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Music Generations in the Digital Age

by Dr. Rafal Zaborowski (2023)

現代日本における音楽、世代、社会との関係を調査。デジタル時代に人々が音楽とどう関わるかを考察。

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音の本を読もう

by 金子 智太郎 (2024)

音と芸術に関する書籍のガイド。日本の電子音楽の歴史に関する追加の日本語リソースを発見するための貴重な参考資料。

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